相続に強い弁護士に依頼するメリット
1 最終的な解決は弁護士によって異なる
相続では、どの弁護士に依頼するかによって最終的な解決が異なってきます。
その理由の1つは、弁護士によって、どこまでの情報を得られるかが変わってくることにあります。
例えば、遺産分割が成立しておらず、先に相続税申告をした場合を考えます。
遺産分割について弁護士に相談する場合に、相続税の申告書があったとして、どこまでの情報を得ることができるでしょうか。
相続税の申告書の第11表を確認すると、相続財産が網羅的に記載されており、個々の相続財産の評価額も記載されています。
もっとも、相続税の申告書の第11表の評価額は、小規模宅地等の特例や借地権の控除計算がなされたものであり、本来の評価額よりも減額されたものとなっている可能性があります。
また、相続税の申告書の第14表には、相続開始前3年以内になされた贈与が記載されており、相続税の申告書の第11の2表には、相続時精算課税制度によりなされた贈与が記載されています。
これらの記載に着目することにより、例えば相手方に特別受益が存在するという主張を行うことができるケースがあります。
特に、相続時精算課税制度を利用している場合には、まとまった額での贈与がなされていることが多いですので、具体的相続分が大きく変更される可能性があります。
相続時精算課税制度がどのような制度なのかについては、国税庁のホームページで概要を確認できます(参考リンク:国税庁:相続時精算課税の選択)。
このような情報を読み取ることができれば、不動産の評価額を争ったり、特別受益が存在するとの主張を行ったりすることができますが、もし情報を読み取ることができなければ、主張を展開する余地が限られてしまいます。
こうした情報は、全ての弁護士が読み取ることができるわけではありません。
相続税の申告書に限らず、資料からどこまでの情報を読み取ることができるか、どのような手がかりから情報を得ることができるかについては、弁護士の経験や知識によって大きく異なります。
その結果、弁護士によって、最終的な解決が異なってくることとなります。