障害年金の受給要件
1 初診日要件
障害の原因となった病気やケガで初めて医療機関で診察を受けた日を初診日といい、障害年金の請求では、この初診日がいつであるかが非常に重要です。
原則として、初診日に加入していた年金制度によって、「障害基礎年金」「障害厚生年金」のどちらの障害年金を受給できるのかが決まり、受給金額が異なるためです。
⑴ 障害基礎年金
初診日に国民年金に加入していた場合、及び20歳未満または60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった場合、障害基礎年金の支給対象となります。
障害基礎年金の等級は1級と2級のみです。
⑵ 障害厚生年金
初診日に厚生年金に加入していた場合は、障害厚生年金の支給対象となります。
障害厚生年金は1級、2級、3級まであり、障害の程度が軽い場合でも支給されます。
さらに、初診日に厚生年金に加入していた場合、3級よりも程度が軽い一定の障害がある場合には障害手当金が支給されます。
また、初診日に厚生年金に加入していた場合、1級または2級に該当した場合には、障害厚生年金に加え、障害基礎年金も同時に受け取ることができます。
2 保険料納付要件
初診日の前日において、初診日の前々月までの1年間に保険料の未納がないか、年金制度に加入してから初診日の前々月までの期間の3分の2以上で保険料が納付または免除されていることが必要です。
「初診日の前日において」ということなので、初診日以降に保険料を後から納付したり、免除の手続きをしても認められません。
また、「初診日の前々月まで」とされているのは、保険料の納付期限が翌月の末であり、初診日時点ですでに納付期限が到来している分に関してこの要件を適用することになっているためです。
なお、初診日に20歳未満だった場合には保険料納付要件は問われません。
3 障害状態要件
障害認定日において、障害の重さが等級に該当する必要があります。
上記1で述べたとおり、初診日に国民年金に加入していた場合、及び20歳未満または60歳以上65歳未満で年金制度に加入していなかった場合は、1級または2級に該当する必要があります。
初診日に厚生年金に加入していた場合は、3級、2級または1級に該当する必要があります。
等級を判定する基準は、認定基準に定められています。