個人再生をお考えの方へ
1 個人再生は弁護士にご相談を
裁判所に個人再生の申立てをして認められると、借金を圧縮して、再生計画案に沿って3年から5年で弁済することになります。
借金が0になるわけではありませんが、大幅に減るため返済しやすくなりますし、個人再生の場合は住宅資金特別条項の利用によりご自宅を手放さなくてよくなる可能性もあります。
メリットが多い個人再生ですが、注意点などもしっかり把握した上で手続きを行うことが大切ですので、個人再生に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
津市近郊で個人再生をお考えの方は、弁護士法人心 津法律事務所にご相談ください。
2 弁護士に相談する利点
⑴ 個人再生が適切かどうか判断してもらえる
債務整理の手続きには種類がありますが、どの場合にどの手続きが適しているのかをご自身で判断することは容易ではありません。
個人再生には、住宅資金特別条項を利用することで、自宅を手放さずに済む可能性があるという特徴がありますが、その他の手続きにもそれぞれ特徴があります。
それらをしっかりと把握し、自分の状況に合った方法を選択することで、納得できる形で生活再建を目指せる可能性が高いです。
⑵ 受任通知の発送により取立てが止まる
弁護士に依頼することで、貸金業者等に受任通知が発送され、取立てを止めることができます。
貸金業者等からの連絡を負担に感じている方もいらっしゃることと思いますので、これを止めることができる点は、弁護士に依頼するメリットだといえるのではないでしょうか。
⑶ 個人再生の手続きを任せることができる
個人再生の手続きは裁判所に申立てを行うものであり、提出書類等は煩雑です。
弁護士に依頼することで、裁判所に提出する書類の収集や裁判官との面談などのサポートも受けることができるため、ご本人の精神的・身体的負担を減らすことが可能となります。
まずはご連絡ください
津の事務所は、津駅徒歩0.5分の立地にあります。夜間のご相談に関しましても承っておりますので、お仕事帰りのご相談をご希望の方もお気軽にご予約ください。
個人再生を依頼する場合の専門家の選び方
1 個人再生をする場合は専門家への依頼がおすすめ
個人再生手続きは自分で行うこともできますが、どのような書類を提出すべきなのか自分で調べながら収集し、さらに、裁判所に申立てをした以降も時期に遅れることなく、財産状況の報告や再生計画案などさまざま書類の提出を行うことは困難を伴います。
そのため、個人再生は専門家に依頼することをおすすめします。
では、個人再生を専門家に依頼しようとして、誰に依頼すればいいのか悩むところです。
弁護士と司法書士どちらかがいいのか、また、依頼するとしてどの事務所に依頼するのがいいのか、以下、いくつか選ぶ際のポイントを挙げていきます。
2 選び方・ポイント
⑴ 司法書士より弁護士
借金相談については、弁護士だけでなく司法書士も相談・依頼を受けることができます。
ただし、金額等によっては司法書士では案件を扱えないので注意が必要です。
個人再生手続きは、申立人の住所地を管轄する地方裁判所に申立を行う必要がありますが、司法書士には、地方裁判所における代理権がありません。
そのため、司法書士に依頼した場合、司法書士が代理人となって裁判所とのやり取りができませんので、自分で対応する必要が生じてきます。
これに対して、弁護士は代理権を有していますので、裁判所とのやり取りは、弁護士の方で行います。
さらに、司法書士に依頼した場合、本来なら個人再生委員が就任しなくて良いケースであっても、個人再生委員が就く場合があります。
そのような場合、別途個人再生委員の費用も負担しなければならなくなりますので、費用負担が増大するおそれがあります。
⑵ 経験豊富であること
個人再生は、申立を行ったあとも、財産状況の報告や、再生計画案の提出など、さまざまな書類等の提出が求められ、しかも、その提出には期限が定められています。
提出期限内に書類を提出するためには、経験豊富な方がスムーズに行うことができます。
⑶ 流れを説明できる
個人再生手続きは、申立後認可決定まで数か月の期間を要します。
その間に、上記⑵のように書類の提出が必要になったりします。
このように時間を要し、書類の提出を求められる手続きですので、きちんと流れを理解し、説明できる弁護士を選ぶ必要があります。
⑷ デメリットやリスクの説明
個人再生も債務整理のひとつの手続きである以上、ブラックリストに載ることや、債権者によっては口座凍結などのデメリットもあります。
車のローンがある場合には車が引き上げられてしまうなどのデメリットもあります。
個人再生のことを相談した際に、手続きを行うにあたってこのようなデメリットの説明がきちんとされることが必要です。
もちろん、デメリットばかりではなく、メリットもあります。
借金額の減額・免除がなされる点や、住宅ローンがある場合には、特別条項の利用により住宅を残すことができるという点が個人再生のメリットとして挙げられます。
このように手続きにはメリット・デメリット双方がありますので、それを理解した上で手続きを行うべきです。
そのため、これらについてしっかりと説明してくれる弁護士を選ぶことをおすすめします。
個人再生の生活への影響
1 家族への影響
⑴ 個人再生手続きをすると家族にも裁判所から通知が送られるのか
家族間での金銭の貸し借りがある場合には、家族であっても債権者に該当しますので、再生手続きを行うにあたり、裁判所から通知が行くなどして家族に知られてしまうことにはなります。
ただ、金銭の貸し借りがなければ、裁判所からご家族の方に通知が行くことはありません。
⑵ 家族に個人再生をすることがバレてしまう可能性はあるのか
原則として弁護士や裁判所から家族あてに連絡をすることはありませんので、家族に内緒で手続きを行うことが可能です。
ただし、同居の家族の場合、給与明細書や財産関係を示す書類(保険証書など)を裁判所に提出する必要がありますので、これらの書類を取得する際にバレてしまうこともあり得ます。
⑶ 個人再生をすると家族の財産はどうなるのか
個人再生の手続きにおいて、家族の財産には影響はありません。
ただし、名義は家族であっても出捐者が手続を行う本人(再生債務者)の場合には、再生債務者の財産とみなされることがありますので、注意が必要です。
⑷ 家族が保証人の場合
家族が債務の保証人になっている場合、主債務者が再生手続きを行うと、債権者から、家族に対し、保証人としての債務の履行を求められることとなります。
2 財産への影響
⑴ 住居・住宅
再生債務者名義で住宅ローンを組んでいる場合、住宅資金特別条項の制度を利用することにより、住宅を残すことは可能です。
⑵ 車
車をローンで購入し、ローンの支払いが残っている場合には、ローン会社に引き上げられるなどするため、車を手放すこととなります。
ローンを完済していたり、一括購入していた場合には、車の資産価値相当額が個人再生により支払う返済額に影響を及ぼすものの、手放す必要はありません。
⑶ 保険
保険についても、解約する必要はありません。
解約返戻金が生じる保険契約の場合、解約返戻金相当額が個人再生により支払う返済額に影響を及ぼすこととなります。
3 仕事への影響
⑴ 勤務先にバレないのか
勤務先から借入れをしている場合には、勤務先も債権者に該当しますので、再生手続きを行うにあたり、裁判所から通知が行くなどして勤務先に知られてしまうことにはなります。
勤務先から借入れがない場合には、特段、弁護士や裁判所から連絡が行くことはありませんので、勤務先に手続きを行っていることが知られることはありません。
⑵ 仕事を辞めなくていいのか
仕事を辞める必要はありません。
自己破産のように、資格制限もありません。
個人再生は、将来にわたって収入が得られる見込みがある場合でないと手続きを行えませんので、むしろ仕事を続けていただいた方が良いです。
個人再生の相談において必要となる情報
1 弁護士に相談する際にどのような情報が必要か
個人再生は、簡単にいうと、裁判所に申立を行い、認められた場合、債務を減額してもらい基本3年で返済するというものになります。
債務を減額して返済していく手続きであることを前提に、個人再生の相談には、最低弁済額を支払っていくことができるか否か検討するための情報が必要となります。
以下で詳しくご説明いたします。
2 相談に必要となる情報
⑴ 債務額
借入総額がいくらになっているのかは、返済額の見込みを立てる上で必要な情報となります。
⑵ 財産額
最低弁済額を決める基準の1つに、清算価値(財産額)があります。
そこで、再生手続きを行う本人の財産がいくらであるのかということも必要な情報となります。
なお、本人の財産の把握が必要なのであって、たとえ同居していたとしても、本人以外の家族の財産は原則として含まれません。
⑶ どのような財産があるのか
現金、預貯金、退職金見込み額、保険の解約返戻金、出資金、車両など、どのような財産があるのかを整理しておいていただくとよいです。
⑷ 収入状況
個人再生は、支払っていく手続きになりますので、将来にわたって安定した収入が得られる見込みがあることが必要となります。
そのため、収入に関する情報が必要となります。
また、仮に、個人再生のうち、給与所得者等再生の手続きを取る場合には、可処分所得の計算を行う必要がありますので、過去(直近)2年分の源泉徴収票や所得課税証明書が必要となります。
⑸ 居所
居所により申立を行う裁判所の管轄が異なります。
裁判所によっては、個人再生委員がつく場合とつかない場合が異なったりします。
個人再生委員がつけられる場合、その費用も予納金として必要となりますので、申立にあたり重要な要素となります。
そこで、個人再生委員がつくか否か検討するためにも、管轄=居所も必要な情報となります。
個人再生の手続きの期間
1 個人再生の申立て準備
個人再生の手続きは、裁判所に申立てを行い、さまざまな決定等を得ていく手続きになります。
そのため、まずは、裁判所に申立てするための必要書類の準備を行います。
例えば、申立書の記載は当然のことながら、給与明細書や源泉徴収票(所得課税証明書)、保険証券、車検証、銀行口座の取引明細等を収集することとなります。
この準備期間の目安は、人によって異なります。
事情により急いで申立てを行う必要がある場合もありますが、通常の場合、4~6か月程度を目安にしております。
これは、弁護士費用を一括で支払えない場合などで、弁護士費用の分割払いを行いつつ、履行可能性のテストをしたりする期間でもあります。
また、津地方裁判所管内の場合、家計の状況(いわゆる家計簿)を3か月分提出する必要があることも申立てまでに4か月以上かかる理由と言えます。
2 申立てから開始決定まで(申立から約1か月)
準備が整えば、裁判所に個人再生の申立てを行います。
裁判所で書類が審査され、再生手続きの要件を満たしていると判断されれば、開始決定が出されます。
3 債権の調査・財産の調査から再生計画案提出まで(申立から約3~4か月)
開始決定が出されたら、開始決定時の財産の調査や債権の調査が行われます。
債権額・財産額が確定したところで、再生計画案を裁判所に提出します。
4 再生計画の認可・不認可(申立から約5か月)
再生計画案に対し、債権者の議決(小規模個人再生の場合)または意見聴取(給与所得者等再生の場合)が行われます。
その結果を得て、再生計画案の認可・不認可の決定が出されます。
5 再生計画案の確定・返済スタート
再生計画案が認可され、認可決定が確定すると、再生計画案に基づいた返済がスタートします。
再生計画案に従った返済を終えたら、残債務は免除されることとなります。
6 返済スタートまでに要する期間
再生手続きは、上記のような流れで行われ、申立てから返済スタートまで、順調にいった場合、約6か月程度の期間を要します。
さらに準備期間がありますので、準備までに6か月とした場合、約1年かかる手続きになります。
再生計画案に基づく返済期間は原則3年ですので、個人再生の準備を始めてから返済終了までとなると、4年の期間がかかることになります。
個人再生をする場合の流れ
1 相談・依頼⇒受任通知発送
個人再生について、まずは弁護士にご相談ください。
相談の上、個人再生の特徴や見通しを確認し、手続きを行う選択をされましたら、弁護士と委任契約を締結します。
委任契約成立となれば、弁護士から各債権者に対し、受任通知を発送いたします。
この受任通知をもって、住宅ローンの支払いは原則として除き、一旦債務の返済をストップしていただきます。
また、債権者からの連絡先窓口は弁護士に変わります。
ただし、相手方からの連絡が止まるまでに若干の日時を要します。
2 個人再生の申立て準備・積立
個人再生の手続きは、裁判所に申立を行う必要があります。
そこで、裁判所に提出するための書類の準備を行います。
例えば、給与明細書、保険証券、車検証、銀行口座の履歴などを用意する必要があります。
また、当事務所の場合、弁護士費用の支払いに充当することになりますが、積立をしていただくことにしています。
個人再生は、債務を減額するものの、支払を続けていく手続きになりますので、支払ができること、すなわち履行可能性があることが必要です。
その履行可能性を示すためにも、毎月、きちんと積み立てをしていただくことが大切です。
3 個人再生の申立て
準備が整ったら、裁判所に申立書類を提出いたします。
申立て後の流れは以下の通りです。
⑴ 開始決定
再生手続きを行う要件を満たしていると判断されれば、開始決定が出されます。
⑵ 債権の調査・財産の調査
債権者によっては、開示決定時の利息等も含めた債権届が改めて提出されます。
申立人は、開示決定時の財産目録を改めて提出いたします。
⑶ 再生計画案の作成・提出
債権届等により、再生債権額が確定しましたら、再生計画案を提出いたします。
⑷ 債権者の議決・意見聴取
申立人の提出した再生計画案に対し、債権者の議決(小規模個人再生の場合)または再建への意見聴取(給与所得者等再生の場合)が行われます。
⑸ 再生計画認可決定、廃止・不認可決定
債権者の議決・意見聴取の結果、特段異議がなければ、再生計画案は認可されることとなります。
一方、(小規模個人再生の場合)過半数または過半数額を超える債権者からの異議が出された場合、再生計画は廃止・不認可となってしまいます。
⑹ 認可決定の確定⇒返済開始
認可決定が確定すると、債権者に対し、再生計画に基づく返済がスタートします。
⑺ 返済終了
再生計画とおりの支払いが完了すれば、残債務は免除されることとなります。
一方、再生計画途中で支払いを怠るなどした場合、再生計画が取り消されることがあり、取り消されると残額が免除されることはありません。
4 個人再生にかかる期間
おおよそ、順調にいけば、個人再生の申立てから認可決定の確定まで、およそ半年程度の期間がかかります。
事案によってかかる期間は異なりますし、申立てまでにかかる準備にどの程度時間を要するかによっても、全体の期間が変わってきます。
見通しについては弁護士にご相談ください。