交通事故の被害に遭った場合の損害賠償の内容
1 交通事故の損害項目
交通事故の被害に遭われた方は、交通事故によって受けた損害を加害者に請求することができます。
交通事故は、人身損害と物件損害のどちらかとして扱われ手続きが進みますが、それぞれにおいて複数の項目が賠償されます。
ここでは、物損事故と人身事故それぞれの損害項目についてご説明します。
2 物件損害について
⑴ 修理費用等
車、バイク、原動機付き自転車、ロードバイク等の車両に乗車していた場合は、その車両の修理費用が賠償されます。
もっとも、当方の過失分は控除されますし、修理費用がその車両の事故当時の時価額を上回る場合などでは、より低い金額の時価額(+買い替え諸費用まで考慮する場合もあります)までしか賠償してもらえなくなります。
⑵ レッカー代
交通事故に遭った車が自走不可の場合には、修理工場等までのレッカー費用も賠償されます。
⑶ 代車・レンタカー費用
車を修理している間、車がないと困るため、代車やレンタカーを利用される方もいらっしゃるかと思います。
通常かかるであろう期間の範囲内であれば代車費用まで賠償してもらうことができます。
事案にもよりますが、期間は2週間~1か月程度が相場となります。
⑷ 評価損(格落ち損)
車が新車登録後から新しく(ケースバイケースですが、1~3年未満)走行距離も少ないとき(概ね3万km未満)、事故車扱いとなる場合には、車の価値が下がってしまったことに対する部分について、評価損として賠償を受けられることがあります。
⑸ 積み荷等
車に積んでいた荷物が破損する等の損害を受けてしまった場合にも、賠償してもらえることがあります。
⑹ 衣服、携帯電話、メガネ等
事故時身に着けていた衣服類や、携帯電話、メガネ等も賠償してもらえます。
ただし、減価償却されることが多いです。
3 人身損害について
⑴ 治療費
事故日から完治日もしくは症状固定日までにかかる治療費は、相手方に賠償してもらうことができます。
症状固定日は、医学的治療を施してもこれ以上その症状は改善が見込めないと医者に診断された日をいいます。
⑵ 通院交通費
治療費が賠償してもらえる範囲内での通院交通費は、実費が賠償されます。
⑶ 休業損害
交通事故によって、病院への通院や自宅療養を必要としたために会社を休んだ場合には、休業損害として賠償してもらうことができます。
主婦の方でも、弁護士が介入することで休業損害が日額約1万円程度賠償されるケースもありますので、主婦の方も、一度休業損害について弁護士に相談することをおすすめします。
⑷ 傷害慰謝料
事故日から完治日もしくは症状固定日(医学的治療を施してもこれ以上その症状は改善が見込めないと医者に診断された日)までの期間に応じてもらえる慰謝料です。
これは、弁護士が介入しない限り、弁護士基準での適切な賠償を受けることができないことが大半ですので、ご注意ください。
⑸ 後遺障害慰謝料
後遺障害の等級が認定された場合に、等級に応じてもらえる慰謝料です。
これも、弁護士が介入しない限り、保険会社側から適切な金額を提示してくることはほとんどないといえます。
⑹ 後遺障害逸失利益
後遺障害が残っていなければ得られたであろう将来の収入の喪失分についても、賠償してもらうことができます。
逸失利益についても、弁護士が介入することで、事案によっては数十万円、数百万円、数千万円と増額されるケースもありますので、一度弁護士までご相談ください。
⑺ その他
その他状況に応じて、通院付添費、入院付添費、将来介護費用、自宅改装費用等が認められるケースもあります。