起訴されてから裁判が終わるまでの期間
1 略式請求について
検事は、警察より送致された事件について「起訴」「不起訴」のいずれかの処分をすることになります。
略式請求は、「起訴」に含まれます。
被疑者が身体拘束された場合は、最大23日間の間に処分を決定しなければなりません。
略式請求は、被疑者に異議がなく、簡易裁判所の管轄となる比較的軽微な事件で、罰金等が100万円以下の事件に対して、公判廷を開かずに検察官の提出証拠で審理をし、罰金等の刑を科する手続きです。
したがって不起訴ではなくても、略式請求の場合、判決までにさほど期間は要しません。
なお、判決に納得がいかない場合、告知を受けた日から14日以内であれば正式裁判の請求をすることもできます。
2 裁判が終わるまでの期間
起訴されてから裁判が終わるまでは、事件の内容や、被告人(被疑者は検察官から起訴されると、被告人という立場になります)がその内容について罪を認めているか否か、裁判員裁判対象事件であるかどうかによって期間が大きく異なります。
裁判員裁判の対象事件は、一定の重大な犯罪の疑いで起訴された刑事事件です。
参考リンク:最高裁判所・裁判員制度ではどんな事件の裁判をするのですか。
⑴ 準備期間
起訴されてから第1回目の期日が行われるまでは、約1か月程度の準備期間があります。
この間に検察官は公判提出証拠を厳選し、それを被告人及び弁護人に開示して弁護人が被告人と打合せをします。
このとき、裁判官に予断を抱かせないようにするため、第1回公判期日の証拠調べの段階まで、裁判官は起訴状以外の証拠等の内容を知らされません。
このような取扱いのことを「起訴状一本主義」といいます。
⑵ 期日
窃盗や覚せい剤のような罪状で、本人が罪を認めている場合は、通常1回の期日で審理が終結(結審といいます)し、2回目の期日で判決が言い渡されることが多いです。
結審となった後、2~3週間後に判決言渡しとなるので、起訴から2か月ほどで終結します。
一方、本人が否認しているケースで重罪の場合は、長い場合は終了するまで2年以上要することもあります。
公判期日では、書証を調べ、証人尋問や被告人質問を行い、検察官と弁護人の意見を踏まえて裁判官が判決を宣告します。
起訴されてから裁判が終わるまでの期間は、事案によって異なると言わざるを得ないでしょう。