「債務整理」に関するお役立ち情報
債務整理と資格の制限
1 債務整理をすると資格が制限されるか
債務整理の相談に来られたお客様からしばしば受ける質問が,「債務整理をしたら仕事をする資格がなくなることがあるときいたのだけど,私の場合大丈夫か?」という趣旨の質問です。
たしかに,債務整理を行う場合,どのような債務整理の方法を選択するかと,債務者がどのような資格に基づいて仕事をしているかによって,仕事に影響が出る可能性はございます。
2 自己破産により制限される資格
例えば,仮に私たち弁護士が自己破産の手続きを選択した場合には,自己破産の手続きを行っている間は弁護士の資格に制限が加えられ,仕事をすることができなくなってしまいます。
弁護士以外にも,司法書士,行政書士,税理士,公認会計士などの法律・会計関係の士業の資格や,宅建士,不動産鑑定士などの不動産を扱う資格,生命保険の外交員や警備員等の人の財産や安全に深くかかわる仕事などについては,破産による資格制限を受けることとなります。
3 永遠に資格がはく奪されるわけではありません
もっとも,自己破産をした場合でも,永遠にその仕事をする資格がはく奪されるわけではありません。
破産法には「復権(破産法255条)」という制度が用意されており,免責許可を得た場合など一定の要件を満たした場合には,破産によって制限された権利が回復する旨の定めが置かれています。
破産法255条2項では「前項の規定による復権の効果は、人の資格に関する法令の定めるところによる。」と規定されているため,破産法上の復権の効果によって個々の仕事の資格がどうなるのかは,個別の法律を見ないといけませんが,多くの資格では復権を得られれば資格が復活し再登録をして仕事が再開できます。
例えば,宅建法18条では宅建士の登録について「破産者で復権を得ないもの」は登録ができないとしていますので,反対に解釈すると,復権さええられていれば破産経験があっても登録を受けることができることになります。
また,債務整理でも自己破産以外の個人再生や任意整理の方法を選択した場合には,仕事の資格が法律上制限されることはありません。
より詳しく,破産について知りたい方は,お気軽に弁護士法人心 津事務所までご相談ください。
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