「時効の援用」に関するお役立ち情報
特定調停と時効の援用について
1 債務整理のために利用できる手続き
債務整理をする方法は、一般的に任意整理、個人再生、自己破産の3種類です。
もっとも、その他にも債務整理のために利用できる手続きがございます。
2 特定調停
まず、特定調停という手続きがあります。
これは、簡易裁判所に申し立てをして、簡易裁判所の裁判官と調停員に間に入ってもらい、債権者との間で返済計画について合意に向けた話し合いを進める手続きです。
この手続きのメリットとしては、簡易裁判所が間に入ってくれるために、弁護士に依頼せず、債務者の方本人が手続きを進めることができ、弁護士費用を節約できます。
もっとも、簡易裁判所はあくまで中立な仲裁者という立場ですので、債権者との交渉は、基本的に債務者本人が行わなければなりません。
調停の期日が指定されれば、平日に何度も裁判所に債務者の方本人が足を運ばなければならず、労力面での負担は任意整理等よりも大きくなります。
3 時効の援用
次に、借金の返済義務が時効にかかっている場合には、時効の援用をすることで債務整理ができる可能性があります。
時効とは、長期間債権者が権利を行使せずにいた場合には、その権利を行使できなくなるという仕組みです。
貸金業者の貸金返還請求権の場合には、時効の起算点から5年経過すると(途中で裁判所等を利用して和解や調停が成立している場合には10年になります)時効となっている可能性があります。
もっとも、時効の起算点が何時になるのかは、債権者と債務者との間の取引の状況や電話・手紙等でのやりとりの状況によって判断がわかれますので、具体的な方針については、個々の事案に応じて弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士法人心 津法律事務所では、皆様からのご相談をお待ちしております。