次の場合はどうでしょうか。
・ 甲と乙の間に、実子として、被相続人とAが生まれた。
・ 丙と丁の間に、実子として、Bが生まれた。
・ その後、Bが、甲と乙の養子となった。
この場合、Bは、法律上、甲と乙との間に親子関係が生じることとなります。
このため、被相続人とBは、ともに、甲と乙を共通の親とするの子であることとなりますので、全血兄弟になります。
したがって、被相続人が亡くなった場合の相続分は、Aが2分の1、Bが2分の1になります。
次の場合はどうでしょうか。
・ 甲と乙の間に、実子として、被相続人とAが生まれた。
・ 丙と丁の間に、実子として、Bが生まれた。
・ 乙が死亡した。
・ その後、Bが、甲の養子となった。
このような事例で、法務局の先例は以下のような判断を行っています。
この場合、Bは、法律上、甲との間だけ、親子関係が生じます。
このため、被相続人とBは、甲のみを共通の親とする子であることとなりますので、半血兄弟になります。
Bからみると、甲が唯一の養親となりますが、全血兄弟かどうかは、あくまでも、何名の親を共通とするかで判断されることとなります。
今回は、1名の親を共通とするのみですので、半月兄弟であることとなります。
したがって、被相続人が亡くなった場合の相続分は、Aが3分の2、Bが3分の1になります。
三重県で担当した案件でも、上記の2番目の事例が問題となったことがあります。
家庭裁判所と協議し、法務局の先例を踏まえ、半血兄弟であるとの前提で、調停に代わる審判がなされることとなりました。