弁護士の仕事の中で,強制執行の申立てをするために,利息・遅延損害金の計算をすることがあります。
365日日割計算の約定がある場合は,過払の引直計算のエクセルファイルを使って計算することが多いと思いますが,このような約定がない場合は,過払いの引直計算のエクセルファイルでは,計算結果がずれてしまうことがあります。
強制執行の際に利息・遅延損害金を計算する場合には,まず,利息・遅延損害金が発生する期間が「何年」+「何日」なのかを計算する必要があります。
この「何年」+「何日」の計算については,おおむね,以下の計算方法を用いています。
元本100万円,遅延損害金年5%
平成21年10月5日から平成23年12月10日までの場合
⇒ 年に満つる期間
平成21年10月5日から平成23年10月4日までの「2年」
⇒ 年に満たない期間
平成23年10月5日から平成23年12月10日までの「67日」
この場合,「2年」+「67日」の遅延損害金の額は以下の通りです。
⇒ 年に満つる期間
100万円×5%×2年=10万円
⇒ 年に満たない期間
100万円×5%×(67日÷365日)=9178円
⇒ 結論
10万9178円
このように,「何年」の部分については,年利に「年数」をかけて遅延損害金額を計算することとなります。
「何日」の部分については,これを年数に計算しなおす必要があります。
上記の場合だと,「何日」を365日で割れば年数を計算することができますので,年利に「日数÷365日」をかけて遅延損害金を計算することとなります。