月別アーカイブ: 2013年 9月

検認

法律では,遺言書が見つかった場合,遅滞なく,検認の手続をしなければならないとされています(公正証書遺言の場合は,不要です。)。
検認とは,裁判所に遺言書を持参し,遺言書の状態等を確認する手続のことを言います。
実際には,裁判所で,遺言書のコピーをとって,裁判所で,調書の一部として保管することとなります。
また,裁判所は,遺言書の保管状況等を聞き取ることとなります。
手続自体は,上記の内容に尽きますので,それほど時間はかかりません。

検認は,あくまでも遺言書の現在の状態等を確認する手続にすぎませんので,遺言が有効かどうか等を確認するわけではありません。
ですから,実際には遺言書が偽造されたものである場合には,検認された遺言につき,遺言無効確認の訴え等を提起することとなります。

遺言につきましては,細かいルールが色々とあります。
中には,少しの違いで,遺言が無効になったりすることもあります。
詳細につきましては,こちらもご参照ください。

離婚調停を行う裁判所3

管轄が違う裁判所に申立がなされた場合は,裁判所は,原則として,事件を,管轄を有する裁判所に移すことになります。
ただ,特別な事情がある場合は,裁判所は,管轄が違う申立であっても,その裁判所で事件を扱うものとすることができます(自庁処理)。
特別な事情としては,子どもが幼く,長時間家を空けることができないため,相手方の住所地の裁判所まで行くことができない場合等があります。

ですから,このような特別な事情があり,自分の住所地の裁判所で調停を進めたい場合には,自庁処理の上申書を裁判所に提出し,特別な事情について説明することとなります。
弁護士が相手方の住所地以外の裁判所において申立を行っている場合には,このような上申書が提出されている場合が多いと思います。

他方,相手方にしてみれば,調停期日毎に,申立人の住所地の裁判所へ行かなければならないのは困るという話になりますので,裁判所に対し,相手方の裁判所へ移送するべきである(自庁処理するべきではない)との上申書を提出することもあります。

離婚調停を行う裁判所2

離婚調停を行うことができる裁判所は,法律上,相手方の住所地の裁判所とされています。
ただ,実際には,離婚調停の申立自体は,別の裁判所でも行うことができます。
たとえば,相手方が遠くに住んでおり,調停期日が設けられる毎に,遠くの裁判所まで行くのが大変である場合には,あえて,自分が住んでいる住所地の裁判所に離婚調停の申立を行うことが,しばしば行われています(申立人に弁護士がついている場合であっても,このような申立がされることがあります。)。

もちろん,本来であれば,管轄の裁判所は,相手方の住所地の裁判所になりますので,このような申立は,管轄とずれた申立になります。
ですから,申立を受けた裁判所は,法律上管轄を有する裁判所へ,事件を移す(移送)することになります。

離婚調停を行う裁判所1

離婚調停は,全国にある家庭裁判所において行うことができます。
調停を行う裁判所は,自由に選べるわけではありません。
法律上は,管轄裁判所が決められており,管轄権を有する裁判所で離婚調停を進めることができるという規定になっています。

離婚調停の場合,管轄裁判所は,相手方の住所地の裁判所が,管轄を有しています。
住所地とは,生活の根拠がある場所のことです。
たとえば,相手方の住民票が大阪府堺市にあり,相手方が実際に住んでいる場所が津市である場合は,津家庭裁判所で離婚調停が行われることになります。

実際に,裁判所に申立を行うかは,こちらをご参照いただくと良いでしょう。