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外部相談(伊勢)

今日は伊勢で法律相談を行ってきました。

津駅から急行に乗り,中川駅で別の急行に乗り換え,のはずでしたが,中川駅で乗り換えをし損ねました。

 

たまに,書面チェックしながら電車移動すると,館内アナウンス等を聞き逃してしまうことがあります。

特に,中川駅での乗り換えは要注意(県民の間では電車移動するときの常識かもしれません)。

 

結局,松阪駅で特急に乗り換え,無事,時間までに伊勢にたどり着くことができました。

相続放棄6

遺産を処分等すると(預金の払戻しを含む),法定単純承認事由に当たり,以降,相続放棄をすることができなくなります。

 

しかし,遺産の処分等は,相続放棄を意識することなく,してしまうことがあるかもしれません。

たとえば,被相続人の預金を払い戻し,葬儀費用に充てることもあるでしょう。

そのような場合には,一切,相続放棄をすることができなくなってしまうのでしょうか。

 

裁判所の判断は固まっていない部分であるため,明言はできませんが,このような場合であっても,必要最小限度の支出であれば,単純承認には当たらないとされる可能性があります。

法的に微妙な判断となりますので,このような場合は,弁護士等の専門家に相談された方が良いでしょう。

相続放棄5

明示的に被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示しなくても,法律上当然に,単純承認をしたものと扱われる,相続放棄ができなくなってしまうことがあります。

これを法定単純承認事由といいます。

 

法定単純承認事由には,様々なものがあります。

中でも,代表的なものは,相続財産の全部または一部を処分したときです。

ですから,相続財産の一部を売ったりした場合には,単純承認したものと扱われ,相続放棄ができなくなってしまいます。

注意しなければならないのは,預貯金の払戻しも,単純承認に該当する可能性があるということです。

 

弁護士として,相続放棄の相談を受けた場合には,相談される以前に,法定単純承認事由に該当する行為を行っていないかを確認することが,必要不可欠です。

もちろん,弁護士からは,以後,単純承認事由に該当する行為をしないよう注意してくださいということも,お伝えします。

相続放棄4

財産や借金を相続しないことになる相続放棄とは逆に,財産や借金をそのまま相続することになるのが,単純承認です。

 

単純承認とは,被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示をすることをいいます。

 

相続放棄が家庭裁判所で申述の手続をしなければならないのとは違い,単純承認は,どういった形ででも,行うことができます。

たとえば,書面を作らなくても,口頭で,被相続人の財産や債務を引き継ぐ意思を表示すれば,単純承認をしたという扱いになります。

わざわざ裁判所で手続を進める必要もありません。

 

一度単純承認してしまうと,3か月の期間内であっても,相続放棄をすることができなくなります。

ですから,弁護士として相談を受けたときには,被相続人が多額の債務を負っていた可能性がある場合は,軽率に単純承認しないよう,注意しましょうとお伝えしています。

相続放棄3

相続放棄の申述は,相続開始を知った時から3か月以内に行う必要があります。

 

通常は,被相続人が亡くなると,数日中に相続人に死亡の事実が伝わるでしょうから,被相続人が亡くなってから約3か月以内に,申述を行う必要があるということになります。

 

しかし,現実には,被相続人が亡くなって何年も経つのに,被相続人が亡くなったという事実が相続人に伝わらないということがあります。

たとえば,相続人の1人が養子に出ており,血縁上の親である被相続人と疎遠になっている場合や,被相続人が再婚しており,離婚した配偶者の子と疎遠になっている場合には,相続人に情報が伝わりにくいということもあるでしょう。

そして,死後何年か経った後に,債権者から通知が来て,初めて被相続人が亡くなったことを知るということもあります。

 

そのような場合には,被相続人が死亡したことを実際に知ってから3か月以内に,相続放棄を行うことができます。

このような場合には,長期間,被相続人が亡くなったことを知らなかったことを確実に伝えるために,相続放棄申述書の記載を綿密なものにする必要があります。

申述書の記載が不十分であれば,申述が受理されない可能性もあります。

 

このような場合には,弁護士等の専門家に書面作成を依頼されてはいかがですかと,お伝えすることが多いように思います。

相続放棄2

相続放棄の申述は,各家庭裁判所のホームページから,申述書の書式をダウンロードし,必要事項を記入した上で,申述書を郵送することにより,行うことができます。

 

申述書を送付すると,家庭裁判所から,照会書が送付されてきます。

照会書には,裁判所からの質問事項が書いてあります。

これらの質問に回答し,照会書を返送します。

 

問題がなければ,家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付され,無事,手続が終了することになります。

相続放棄1

被相続人が多額の借金をしていた場合には,借金(債務)も相続の対象となります。

借金(債務)を相続したくない場合には,家庭裁判所で,相続放棄の申述を行う必要があります。

相続放棄をすると,はじめから相続人ではなかったことになりますので,プラスの財産を引き継ぐことができませんが,借金(債務)を引き継ぐこともありません。

 

相続放棄の申述は,相続開始を知った時から3か月以内(審判により,延長することもできます。)に行う必要があります。

 

相続放棄の申述は,被相続人の死亡時の住所地の家庭裁判所において行います。

亡くなられた時の住所が津市であれば,津家庭裁判所で,松阪市であれば,津家庭裁判所松阪支部で,申述の手続を行うことができます。

 

相続放棄の申述は,3か月間しかできませんので,迅速に手続を行う必要があります。

遺留分対策2

まず,相続開始前1年間になされた贈与も,遺留分の算定基礎となります。

 

また,特別受益に当たる贈与も,遺留分の算定基礎となります。

特別受益とは,生計を基礎づける財産の贈与のことです。

特別受益の例として,様々なものがありますが,一般には,多額の財産(現金,預貯金,不動産,株式等)を一度に贈与していると,特別受益に該当すると判断される傾向があります。

遺言で財産の大部分を相続させる代わりに,生前贈与を行うとなると,特別受益に該当すると判断される可能性が高いです。

 

ですから,弁護士会の相談等では,遺言の代わりに生前贈与を行うということは,遺留分対策にはならない可能性があるとお伝えすることが多いです。

遺留分対策1

「相続人の1人に遺産のほとんどを相続させたい,そのような内容の遺言を残したい。」

弁護士会等の法律相談では,しばしばこのような相談を受けます。

 

回答としては,「全ての財産を相続させる遺言を作成することはできますが,他の相続人から遺留分減殺請求権を行使される可能性があります。」と答えることが多いです。

 

そのようにお答えすると,「それならば,相続人の1人に生前贈与すればどうでしょうか。」とおっしゃる方が多いです。

 

実際には,贈与税の負担の問題は別としても,生前贈与をしたからといって,必ずしも遺留分減殺請求権の行使を免れるわけではありません。

 

遺留分の算定基礎となる財産は,遺産だけではありません。

これに加えて,生前贈与された財産の一部も,遺留分の算定基礎となります。

養子と相続2

養子は,原則として,血縁上の親の相続人になります。

 

しかし,特別養子の場合は例外です。

特別養子とは,1987年に施行された制度です。

特別養子縁組を行うことにより,養子は,養親の親族になるとともに,血縁上の親との親族関係を失います。

ですから,特別養子は,血縁上の親の相続人にはならないのです。

 

弁護士として,養親子間の相続について相談を受ける際には,特別養子である可能性を頭の片隅に置きつつ,相談後,戸籍で特別養子であるかどうかを調べた上で,事件を進めていくことになります。

もちろん,養子縁組が明らかに1987年(特別養子の制度が施行された年)以前である場合には,特別養子である可能性は考えなくても良いです。