小規模宅地等の特例2

それでは,どのような内容の遺産分割協議であれば,小規模宅地等の特例を用いることができるのでしょうか。
被相続人の自宅不動産につき,遺産分割協議を行うときは,おおむね以下の場合に,80%減の特例を用いることができるとされています。
① 配偶者が自宅不動産を取得
② 被相続人と同居していた親族が自宅不動産を取得
(他には,持家を有しない一定の親族についても,特例を用いることができます。)

たとえば,相続人が,被相続人の妻,被相続人の子(被相続人と同居していない)である場合を考えたいと思います。
この場合,被相続人の自宅不動産を,被相続人の子(被相続人と同居していない)の名義にしてしまうと,基本的に,80%減の特例を使うことができなくなってしまいます。
他方,被相続人の自宅不動産を,被相続人の妻名義にした場合,80%減の特例を用いることができることとなります。

このように,どのような遺産分割協議書案を提示するかによって,相続税の金額が大きく変わってくる可能性がありますため,弁護士の仕事も,相続税と無縁であると考えることはできません。
法律業務に携わる以上,幅広い知識を持たなければならないと痛感します。

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