後見開始申立2

事件の相手方について後見開始申立を行う場合には,注意すべき点があります。

後見開始申立を行うに当たっては,様々な費用が必要となります。
たとえば,申立を行う裁判所に対し,2600円分の収入印紙を提出する必要があります。
また,診断書等で判断力が著しく低下していることが明らかな場合には,問題が少ないのですが,判断力が著しく低下しているかどうかが明らかではない場合には,裁判所で医師に鑑定を依頼し,判断力の低下の程度について,鑑定書を書いてもらう必要があります。
このような場合には,5から10万円の鑑定費用を,後見開始申立を行う人が納める必要があります。

それでは,後見開始申立に必要な費用は,誰が負担することになるのでしょうか。
法律上は,原則として,後見開始申立に必要な費用は,申立を行う側の負担とされています。
後見開始申立は,判断力が低下した人のために行うものですが,実際には,申立を行う側で,費用を負担しなければならないのです。
ですから,申立に必要な費用を申立人が納めなければ,手続を進めることができないことになってしまうのです。
弁護士として事件を進めるに当たっては,申立に当たり,申立費用を負担しなければならないことになっていることを,あらかじめ説明しておく必要があると言えます。

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