後見制度支援信託3

後見制度支援信託は,親族後見人による不正支出を防止する等の目的で導入されたものです。
ですから,本人が多額の財産を有している場合(1000万円を超える現預金等)に利用することが想定されています。

ただし,本人が紛争に巻き込まれている場合や,紛争に巻き込まれることが想定される場合等,法律問題がある場合は,後見制度支援信託を利用しない運用になると言われています。
これは,法律問題に対処するため,弁護士と宇野専門職後見人が担当し続ける方が望ましいからです。

また,株式や証券等は,信託の対象にはなりません。
信託の対象になるのは,現預金等に限られます。
ですから,本人が多額の株式や証券等を有している場合には,後見制度支援信託が利用されることはないと言われています。
このような場合には,本人の株式や証券等を売却したうえで,後見制度支援信託を利用すべきではないかとの意見もありますが,株式や証券等の値動きを予測することは難しく,不用意に売却することはできませんので,やはり,後見制度支援信託を利用することは困難であるということになります。

ただ,現時点では,運用が固まっていない部分も多々ありますので,制度として固まっていくのはこれからであると言うことができます。

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