判断能力が低下した人のために,裁判所の審判に基づき,後見人が付されることがあります。
後見人は,本人に代わって,本人の財産を管理し,必要な支出等を行うこととなります。
かつては,後見開始の申立を行った親族等が,後見人に就任し,本人の財産を管理することが多かったです。
ところが,最近になって,親族後見人により,本人の財産が不正に費消される事件が相次ぐようになり(1年間で,総額20億円が不当に費消されたとの調査結果もあります。),後見人による不正を防止するための制度を作ることが必要であると言われるようになりました。
このような親族後見人による不正を防止するため,弁護士,司法書士,社労士等の専門職後見人をつけることが検討されるようになりました。
ただ,専門職後見人をつけると言っても,専門職の人数が限られている等の問題がありますので,限界があります。
そこで,専門職後見人による財産管理に代わるものとして,前年度から,後見制度支援信託の制度が導入されることとなりました。