管轄が違う裁判所に申立がなされた場合は,裁判所は,原則として,事件を,管轄を有する裁判所に移すことになります。
ただ,特別な事情がある場合は,裁判所は,管轄が違う申立であっても,その裁判所で事件を扱うものとすることができます(自庁処理)。
特別な事情としては,子どもが幼く,長時間家を空けることができないため,相手方の住所地の裁判所まで行くことができない場合等があります。
ですから,このような特別な事情があり,自分の住所地の裁判所で調停を進めたい場合には,自庁処理の上申書を裁判所に提出し,特別な事情について説明することとなります。
弁護士が相手方の住所地以外の裁判所において申立を行っている場合には,このような上申書が提出されている場合が多いと思います。
他方,相手方にしてみれば,調停期日毎に,申立人の住所地の裁判所へ行かなければならないのは困るという話になりますので,裁判所に対し,相手方の裁判所へ移送するべきである(自庁処理するべきではない)との上申書を提出することもあります。