成年後見人をつけるためには,通常,家庭裁判所において,後見開始審判の申立を行う必要があります。
後見開始審判の申立は,4親等内の親族であれば,行うことができます。
実際には,本人の身の回りにいる親族が勝手に財産を使っている場合であっても,他の親族から後見開始の審判が行われないままになってしまっていることがあります。
このような場合には,本人が亡くなった後に,親族間で,本人の財産の使い込みを巡り,法的紛争になることがあります。
法的紛争が生じるに至り,弁護士に事件を依頼される方も多いです(不当利得返還請求等)。
事件を受けた弁護士は,相続財産を調査し,財産の使い込みの状況を調査します。
たとえば,預貯金については,金融機関にもよりますが,少なくとも10年間の出入金記録を調査することができます。
実際には,一度に多額の財産が出金されている場合には,比較的,財産の使い込みの事実を証明しやすいです。
しかしながら,定期的に少額の財産が出金されている場合には,相手方が医療費等の支払のため出金したと争うこともあり,微妙な法的判断になることもあります。