連帯債務とは

1 連帯債務とは
連帯債務という言葉は、弁護士にとっては馴染みの深い言葉ですが、一般には、保証や連帯保証とどのように異なるかについて、正確には把握されていないことが多い言葉だと思います。

連帯債務は、複数の連帯債務者が、同一の債務について、全額を返済する責任を負うことをいいます。
たとえば、1500万円の借入を行い、3人の債務者が連帯債務者となっていたとします。
この場合、債権者は、それぞれの連帯債務者に対し、1500万円全額について、返済を求めることができます。

複数の人が共同で借入を行うにあたり、その複数の人が債務の全額について返済する責任を負うこととしておけば、債権者の側から見ると、安心して貸付を行うことができますし、連帯債務者の側から見ると、経済的信用を高めることができ、より多くの金額を借り入れることができることとなります。

また、複数の人が、共同で不動産等を購入するあたり、購入資金を借り入れる場合にも、共同での借入とするために、連帯債務が組まれることがあります。

連帯債務については、それぞれの債務者が、債務の全額について、返済する責任を負っています。
このため、ある債務者が返済を行わない場合には、他の債務者は、その分も合わせて返済を行う必要があります。
先の例で、1人の連帯債務者が500万円を返済していたとしても、その連帯債務者は、残額である1000万円全額について、返済する責任を負っていることとなります。

2 連帯保証債務との違い
連帯債務と似た言葉で連帯保証債務という言葉があります。

連帯保証債務の場合は、主債務者が存在しており、主債務者が返済を行わなかったときに、初めて、連帯保証人が返済を行わなければならなくなります。
また、連帯保証人が返済をした場合には、連帯保証人は、主債務者に対し、返済した金額の全額を求償することができます。

これに対し、連帯債務の場合は、それぞれの連帯債務者が、直接、債務を返済する責任を負っています。
このため、それぞれの連帯債務者は、他の連帯債務者との関係でも、自ら負担すべき部分(負担部分)をもっています。
したがって、1人の連帯債務者が返済を行った場合に、他の連帯債務者に対して求償することができるのは、自身の負担部分を超える部分に限られることとなります。

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