遺産分割に際し,特別受益として考慮されるものは,生計の基礎となる財産です。
生計の基礎となる財産ですので,多額の預貯金や不動産を贈与した場合は,特別受益と認められる可能性が高いです。
たとえば,弁護士会を通じて預金口座の取引履歴を開示してもらった結果,多額の贈与の存在が明らかになることもあります。
実際に,特別受益に当たるかどうか,争われる可能性が高いのは,たとえば,1か月に3万円等,定期的に少額の贈与がなされており,その期間が長期間にわたったため,全体として見れば,多額の贈与が行われたという場合です。
遺産分割審判等では,事案により様々な判断がなされていますが,一般的には,一回当たりの贈与額が少なければ,生計の基礎となる財産には当たらず,特別受益には該当しないと判断される傾向にあります。