計算が幾分か複雑になるのは,「何日」の部分に閏年が含まれている場合です。
この場合も,発想自体は同じで,「何年」+「何日」を計算し,「何日」の部分については年数に計算しなおすこととなります。
ただし,閏年が含まれる場合だと,「何日」の部分を年数に計算しなおす際に,「日数÷365日」で計算する部分と「日数÷366日」で計算する部分とに分けて計算する必要が生じます。
つまり,「何年」+「何日(閏年を含まない部分)」+「何日(閏年を含む部分)」に分けて考える必要があるということになります。
具体的には,以下のとおりです。
元本100万円,遅延損害金5%
平成22年6月3日から平成24年3月2日までの場合
⇒ 年に満つる期間
平成22年6月3日から平成23年6月2日までの「1年」
⇒ 年に満たない期間
平成23年6月3日から平成24年3月2日までの「274日」
ただし,
⇒ 閏年を含まない部分
平成23年6月3日から平成23年12月31日までの「212日」
⇒ 閏年を含む部分
平成24年1月1日から平成24年3月2日までの「62日」
この場合,「1年」+「212日(閏年を含まない部分)」+「62日(閏年を含む部分)」の遅延損害金の額は以下の通りです。
⇒ 年に満つる期間
100万円×5%×1年=5万円
⇒ 年に満たない期間(閏年を含まない部分)
100万円×5%×(212日÷365日)=2万9041円
⇒ 年に満たない期間(閏年を含む部分)
100万円×5%×(62日÷366日)=8469円
⇒ 結論
8万7510円
このように,丁寧に計算をすれば,遅延損害金の額を算定することができます。
もっとも,弁護士の仕事は,たいていが文字を扱う仕事ですので,いざ数字を扱うとなると,「丁寧に計算する」という作業が大変だったりします。
なお,計算結果を切り捨てるか四捨五入するかについて,様々な考え方があるところですが,謙抑的なスタンスに立てば,切り捨てをすることになるものと思います。