子どもがむちうちになった場合
1 子どもとむちうち
交通事故に遭い負ってしまう最も多い怪我と言われているのが「むちうち」です。
子どもは、大人よりも筋肉等が柔らかいため、むちうちになりにくいと言われています。
しかし、むちうちにならないわけではありません。
また、子どもは年齢にもよりますが、体に痛みを感じても上手く伝えられなかったりします。
そのため、子どもが交通事故に遭い、その後、首などに痛みを訴えたり、違和感がある素振りがあったりした場合には、必ず病院で受診していただくことが大切です。
また、受診のタイミングが遅くなってしまうと、交通事故と受傷との因果関係が否定されてしまう恐れがありますので、おかしいと思ったら事故後早い段階で受診することが大切です。
2 子どもがむちうちになった場合の損害賠償
子どもであっても、大人と同様、交通事故に遭いむちうちになり通院を要した場合には、損害賠償請求権が発生します。
⑴ 傷害分
損害項目は、大人と同様、治療費、交通費、慰謝料などが挙げられます。
また、子どもの年齢によっては、通院する際に保護者が付き添う必要があります。
その場合には、付添看護費といった項目も損害項目の1つに挙げられます。
⑵ 後遺障害分
子どもであっても、通院治療を行ってきたにもかかわらず、痛み等が残存した場合、後遺障害等級が認定されることがあります。
むちうちの場合、想定される後遺障害等級は、一般的に14級か12級です。
後遺障害等級が認定された場合、大人の場合、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益が通常発生します。
これに対し、子どもの場合、後遺障害等級が認定されても、後遺症逸失利益が発生しないことがあります。
逸失利益とは、交通事故による後遺症のため、労働能力が喪失してしまったため、交通事故に遭わなければ本来もらえたはずの将来の収入が減ってしまった分に相当する損害のことを言います。
この点、そもそも子供は実際に就労をしているわけではありませんので、収入が減少するということはありません。
また、いわゆるむちうちでの後遺障害の場合、労働能力喪失期間は14級の場合には3~5年程度とされているため、子どもが就労するころには症状が軽快しているなどして労働能力の喪失が認められにくいとされています。
その結果、子どもの場合、後遺症逸失利益が発生しないことがあります。
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