交通事故の神経学的検査
1 交通事故と神経学的検査の関係
交通事故に遭った場合に生じる傷害として多いのがいわゆるむちうちです。
むちうちとなってしまった場合,痛みや痺れなどの症状が現れます。
これは神経症状と呼ばれています。
神経症状に関する検査として神経学的検査と呼ばれるものがあります。
神経学的検査は,神経の異常について調べる検査です。
むち打ちの場合の代表的な検査としては,ジャクソンテスト,スパーリングテストがあります。
これは,首を動かして,その影響がどこにどの程度出るかを調べる検査です。
それ以外にも,様々な神経の異常を調べる検査があります。
そのいずれを利用して調査するかは負傷部位を踏まえて検討します。
2 神経学的検査の紹介
⑴ 関節可動域検査
身体の各関節の可動域を測る検査です。
⑵ MMT(徒手筋力検査)
筋力が低下しているかどうかを評価する検査です。
⑶ 筋委縮検査
運動神経の障害により筋力が低下する場合,筋肉の使用頻度が減って筋肉が細くなります(筋萎縮)。
その筋萎縮の有無を検査するものです。
⑷ 腱反射・病的反射テスト
反射の異常が生じているか調べる検査です。
⑸ 神経根症状誘発テスト
病変部を圧迫した際に症状が生じるかを確認するものです。
むちうちの症状がある場合,ジャクソンテストやスパーリングテスト,SLRテストなどが行われることが多いです。
3 神経症状と他覚的な証明
人間の身体には,神経が張り巡らされています。
神経は,脊椎の各部が司っていますが,各部により司っている神経が異なります。
そのため,損傷した脊椎の部位により,生じる神経症状は異なります。
実際に生じている神経症状等と損傷した脊椎の部位が対応している場合,症状が他覚的に証明されているといえることになります。
むちうちの多くは,他覚的に証明がない,すなわち,被害者自身にしかわからず,客観的にはわからない症状です。
この症状が他覚的に証明されている場合には,後遺障害等級認定などの場面において,むちうちの中でも程度が酷いものとして扱われることになります。
4 弁護士に依頼することの意味
このように,交通事故の被害にあった場合,さまざまな神経症状の確認がなされることになります。
もちろん,どのような検査を受けることになるのか,検査結果に対してどのように対処していくべきなのかは,医師の先生等が判断していくことになりますが,加害者側と賠償について話を進めていく上でも,どのような神経症状があるかは無関係ではありません。
しかし,ある神経症状が見られるときにどのように対応していくのかという問題は,交通事故問題に慣れた弁護士でなければ困難なものとなります。
弁護士法人心 津法律事務所では,津駅近辺にお住まいの方はもちろんのこと,全国どこにお住まいの方についても交通事故の対応をさせていただいています。
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